書評「親鸞ルネッサンス」安富 步・本多雅人・佐野明弘 著
名著です!
この本を読まずして何を読もうかというぐらい
優れた本です。
親鸞の思想をもとに人間復興を唱えています。
ひとは問題を解決することに道を見出し物事を固定化しようとする。
しかし問題はなくならないのが人の道。
どうすれば問題がなくならないかではなく
問題があるからこそ生きている根源を見出すことができるという
考えに立ち返らない限り、人としての希望ある苦悩は生まれない。
苦悩が生きる力に転換できないというところに人の苦悩があるのではないか、
と著者は語ります。
これより本文からの引用ー
仏教は人間に答えを与えるものではなく、苦悩する人間に寄り添い、「問い」をあきら
かにする歩みを促してきました。「生かされている」ということが本当にいえるのも、
自分が愚かだったと気づかされたからです。「覚めて生かされる」のです。
迷い続ける事が生きることであり、そこに問いが与えられる。
丸裸の自分、何の比較対象も許さない自分になる。
本当の問いに目覚めることが自分になる道だというのが仏教の視座です。